今回は人材開発の中でも、「ゴール設定」について学んでいきましょう。
まず、前回の復習ですが、人材開発にはいくつかの落とし穴がありますが、それらを避けるためには企画や評価、関係者の巻き込みが重要でしたよね。
しかし、企画を行う前にまずは「ゴール設定」をすることが非常に重要になってきます。
そこで人材開発におけるゴール設定とはなにか、どんなポイントがあるのかについて解説します。
人材開発のゴール設定とは?
まず、「ゴール設定とはなにか」についてですが、どんな状態の人(入口)に、どうなって欲しいか(出口)を定義することです。
つまり、人材開発を始める前の状態と終了後にどうなっていて欲しいかを具体的に言語化することが大切です。
このゴール設定をするために、以下の3つのステップを紹介します。
ゴール設定の3つのポイント
人材開発におけるポイントは下の図の「ニーズの整理」「他手段との比較」「ゴールの設定」の3点があります。
これらを1つずつ解説していきます。
ステップ1: ニーズの整理
最初にニーズの整理を行います。
人材開発にニーズを持つ人は意外とたくさんいます。したがって、日々社員との対話機会を持つなど、積極的な社内ニーズ・課題の収集が必要になります。このように、様々な関係者に話を聞き、どんなニーズがあるかを把握しましょう。
ただし、全てのニーズを満たすのは難しいので、ニーズの背景をしっかりと理解し、優先順位をつけ、ニーズの解像度を上げていくことがポイントです。
ステップ2: 他手段との比較
次に、他の手段と比較してみましょう。
例えば、職場に活気がないという問題があった場合、人材開発以外にも様々なアプローチがあります。これを考えた上で、どの手段が最適かを選ぶことが重要です。
人材開発だからこそ最適に課題に取り組めることに集中して取り組むことで、より効果的なアプローチができます。
ステップ3: ゴールの設定
最後に、対象者ごとのゴール設定を行います。
新卒と中途では異なる状態像が必要です。具体的にどういう行動や感情、発言を期待するのかを明確にイメージし、研修の内容を具体化しましょう。
以上の3点が、人材開発のゴール設定で押さえるべきポイントです。ここまでの内容を踏まえていただければ、人材開発におけるゴール設定ができます。
そこでさらに、もう一つの切り口として「研修の役割」についてフォーカスし、解説していきます。
研修の役割
さて、ゴール設定ができたところで、もう一つ「研修の役割」について考えてみましょう。
ちょっとスパイシーな問いかけですが、研修って本当に意味がありますか?あなたのこれまでの学びにおいて、研修がどれくらい役に立ちましたか?
ある研究によると、学びの70%は実務経験から、20%は他者からの指導やフィードバックから、そして10%が座学や研修から得られるとされています。
この割合を考えると、研修の割合や効果は少ないかもしれませんが、それでも効率的で効果的な学びの方法です。
研修を導入するポイントは、「一度に多くの人にアプローチできる」「時間効率が良い」「質の改善にも役立つ」の3点が主に挙げられます。
研修の意義は確かにありますが、あくまで学びの中心は職場にあるという意識も重要です。このバランスを意識することで、より効果的な学びを実現できるでしょう。
まとめ
今回は人材開発におけるゴール設定と研修の意義についてご紹介しました。
研修の目的や状態像を具体的にイメージし、ニーズを整理し、他手段と比較しながら効果的なゴール設定を行っていきましょう。
また、研修は知識を得たり、新しいことに気づいたりする場です。研修でえた知識を、実際に職場で実践し、定着させることがゴールを達成するうえで重要なプロセスです。このように、研修で学んだことを職場で実践しながら、最終的なゴールに到達することを目指しましょう。
次の記事は、「研修のメインストーリー設計」について解説します。お楽しみに!