人材開発

人材開発の学びを深める~4つの注目理論~

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今回は人材開発シリーズの最終回です。

テーマは「学びの注目理論」ですが、ぱっとなんのことかイメージしにくいと思います。

人材開発って、結局は学びを通じて組織の戦略に貢献するのが目的ですよね。だからこそ、学びについての哲学を深く持つことが大事なんです。

では、学びの注目の理論を4つ紹介していきますが、それぞれ全部見ていただいてももちろん大丈夫ですし、飛ばしてみて見ていただいても大丈夫です。

ではまず1つ目から見ていきましょう!

1. SLS理論(シチュエーショナルリーダーシップ)

最初に紹介するのは、ケン・ブランチャードのSLS理論(シチュエーショナルリーダーシップ)です。

学習者の特性と、それに合わせたリーダーの関わり方を整理しています。

学習者の特性

学習者は新しいことを学ぶとき、まずは「やる気があるけどスキルが低い」状態から始まります。次に、困難に直面してやる気が下がり、スキルもまだ未熟な段階を経験します。そして、徐々にスキルが上がり、最後にはやる気もスキルも高い状態に到達します。

リーダーの関わり方

リーダーは、学習者のステージに合わせて関わり方を変えることが重要です。例えば、初めの段階では期待値を調整し、丁寧な技術指導を行います。そして、やる気が下がった段階ではモチベーションを上げるサポートをするようにします。最終的には、成功体験を積ませることで、自立を促していきます。

2. 精神発達理論(ロバート・ケーガン)

次に紹介するのは、ロバート・ケーガンの精神発達理論です。

大人になっても人は成長するという前提に立ち、知性の発達を段階的に見ています。

発達段階

  1. 自己中心:他人を道具的に見て、自分の欲求を満たすために利用
  2. 他者依存:ルールや命令に依存し、他人の評価軸で自分を判断
  3. 自己主導:自分なりの価値観を持ち、自立的に行動
  4. 自己変容:他人との関わりを通じて自己変容をし、成長

自社の人材がどの段階にいるかを考えてみましょう。また、自分自身がどの段階にいるかも、ぜひ振り返ってみてください!

3. 経験学習サイクル(コルブ)

次に紹介するコルブの経験学習サイクルも重要な理論です。経験を学びに変えるためのプロセスを示しています。

学習プロセス

  1. 経験:何かを体験する
  2. 内省:その経験を振り返る
  3. 教訓化:教訓を引き出す
  4. 実践:教訓を実際に試す

このサイクルを繰り返すことで、経験から効果的に学ぶことができます。自社の研修でも、このサイクルを意識して設計することが大切です。

自社の研修では、十分に経験を「内省」する時間、「教訓」にする時間を取り、実践を促す関わりができていますか?

4. マクレガーの指導理論

最後に紹介するのは、マクレガーの指導理論です。

人間観を2つの理論(X理論とY理論)に分けて示しています。

X理論(性悪説)

  • 人は仕事が嫌いで、強制されないと働かない。
  • 責任を回避し、命令を好む。

Y理論(性善説)

  • 人は進んで働き、自分で決めた目標のために努力する。
  • 創意工夫をし、責任を引き受ける。

重要なのは、リーダーや周囲がどの理論に基づいて関わるかで、その人の行動が変わるという点です。信じて関われば、その期待に応えようとする行動が引き出せるのです。

まとめ

これで人材開発シリーズは終了です!

人材開発だけでなく、組織開発や人事制度、人事戦略なども学ぶことで、学びに繋がりが生まれ、より深く理解できるようになります。ぜひ他のテーマもチェックしてみてくださいね。

次回は「採用」について解説していきます!ぜひおたのしみに!

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