記事

マネジメント力を高める仕組みづくり

〜経営・人事のマネジメント支援のポイントとは?〜

上林周平(株)NEWONE:代表取締役社長

Section 1 変化するマネジメント環境

駆け出しマネジャーの成長論では、マネジャーを取り巻く5つの環境変化が起きていると述べられています。

突然化:組織のフラット化が進んだ結果、準備のないまま突然、大人数の部下を抱えるケースの増加
二重化:プレイヤーマネジャーが増えた現在、プレイヤーとしての自分とマネジャーとしての自分のバランスをうまく取ることが求められている
多様化:職場のメンバーの多様化、それに応じるマネジメント内容の多様化
煩雑化:高度情報化によるリスクヘッジのための情報管理、メールの対応等の増加
若年化:若くしてマネジャーへの昇進、困難を抱えるケースの増加

マネジャーは、このような環境変化の中で、「他者を通じて物事を成し遂げること」、具体的には、強い組織づくりのために、長期の組織づくりと短期の日々の業務をつなげる力が求められているのです。

さらに、現在、日本は世界と比較しても、労働人口が”減少”先進国であるため、企業はこれまで以上に、女性・外国籍など多様な働き手、産休/育休、テレワークなど多様な働き方を受け入れる必要があります。そのため、多様な方をマネジメントし、一人ひとりのパフォーマンスを上げる上で、「エンゲージメント」が重要になってきます。

「エンゲージメント」とは、企業と従業員、仕事と従業員のつながりの強さや、組織に対する自発的な貢献意欲、主体的に仕事に取り組んでいる心理状態を意味します。

過去のマネジメント環境は、過去の延長線上で、自分と同質の人に対して管理や伝授をする環境であったため、管理型マネジメントが主流でした。しかし、現代のマネジメント環境は、環境変化が激しく、多様な働き方、価値観、強みが違う人を生かすという環境であるため、支援型マネジメントを行う必要があります。

Section 2 管理職が押さえるべきポイント

これからのマネジメントで大事なことは、以下の2点です。

①組織と個人が対等な関係であること
②「組織」が一方的に与えるのではなく、「個人」側の「会社や仕事」に対する矢印を強化する動きがあること

人々が、主体的に行動する理由は、一人ひとり理由が異なりますが、主体的にのめり込む時には、必ず理由があります。Whyが行動の源泉であり、Whyが明確に腹落ちしないと、人は行動しづらいのです。

主体的に行動する理由は主に、4つのパターンがあります。

「自分の強みを活かす」
「信頼できる仲間と働く」
「将来につながる成長をする」
「提供したい価値を通い続ける」

このような環境を作っていくことが、マネジメントに必要なことです。
管理職は、エンゲージメントを高めるうえで、結節点としての重要な役割を担います。
良い繋がりを作ることで、「個人」側の「会社や仕事」に対する矢印を強化することができます。

マネジャーが行うことができる4つの行動

オープンでフラットな関係に変える 

  • チームの意義と方向性を浸透する「ビジョン発信」
  • チームの方針を皆で考える「参画機会の創出」

各人の自発的な行動を促す

  • 仕事への意味づけを高める「職務アサイン」
  • 取り組みへの手応えを高める「フィードバック」

チームの意義と方向性を浸透する-ビジョン発信

部下をモチベートでき、長期的な発展も視野に入れた本人の意思が入ったありたい姿
メンバーが主体的に行動できるように、メンバーの意向を鑑みながら、目標のビジョン化を行う。

自チームの方針を皆で考える参画機会の創出

メンバーの自発的な行動を狙うならば、自発性を促すように見える化し、対話を行うことが大事
ビジョン、方針の背景を可視化することで、皆の共通認識を作る

・チーム状況の見える化
可視化したチーム状態について対話することで、チーム意識が高まる

・タスクの見える化
一人ひとりのタスクや進捗が見えることで、助け合いが生まれる

仕事への意味づけを高める職務アサイン

仕事内容だけでなく、その仕事を行いたいと思う理由を提供する
仕事を任せるときに、「意味付け」を行うことが大事。
「メンバーの強み」や「成長ポイント」とつなげることによって、「意味付け」を行うことができる。

取り組みへの手応えを高めるフィードバック

ありがたいと思う自分の気持ちを表す「感謝」や相手の優れた部分を認め価値を表明する「称賛」による手応え創出が行動促進につながる。

「自分の強みを活かす」
「信頼できる仲間と働く」
「将来につながる成長をする」
「提供したい価値を通い続ける」

相手のタイプを意識して伝えることで、さらに効果的に自発性を高めることができます。

Section 3 マネジメント力を高める仕組みづくり

管理職は、部下本人が何を望んでいるか理解していることが必要です。そのためには、上司と部下が1対1で向き合い、話し合う(30分程度)を頻度高く行うことが効果的です。

相手のための時間の中で、何を求め、何を大事にしているのか捉え、さらに、仕事に結びつけ、現状に合わせて意向の調整をすることが求められます。

意向確認支援ツール「カルテ」やマニュアルを確認しながら、部下のための時間=1on1で、相手を捉え、職務アサインにつなげる仕組みを作ることで、マネジメントはさらに機能するでしょう。

ただ、マネジャーは業務量も多く、ジレンマも多い立場だからこそ、一人の管理職が抱え込むのではなく、みんなでチームづくりを行うことが大事になります。

ポイント① 上下ではなく、できる限りの対等の関係である
ポイント② チームづくりのステップを皆が認識している
ポイント③ ベースの信頼関係が構築できている

以上の3つのポイントを踏まえた上で、CocolaboUniposなどのツールを活用することが良いでしょう。

「管理職の意識改革と行動支援」「一人ひとりの行動を促進し、風土を作る仕組み」この二つのポイントを同時に押し、エンゲージメントの高いチームを作っていきましょう。

関連記事

新着記事
会員限定
おすすめ
PAGE TOP
ログイン 会員登録
会員登録