最近、「人事戦略」という言葉をよく耳にするけれど、具体的に何を指すのか分からないという方も多いのではないでしょうか?
この記事では、「人事戦略の知識を付けたい」「自社の人事戦略を立てたい」という方に向けて、人事戦略の意義や立案方法、実践のポイントについて詳しくお伝えします。
まずは「人事戦略とはなにか」を知っていただき、その具体的な立案方法や実行のポイントを続けて学んでいただければと思います!
人事戦略の立案プロセス
そもそも人事戦略ってなに?
まず、人事戦略とは何でしょうか。
人事の知識を付けようと思って勉強し始めたけど、「そもそも人事戦略がなにかわからない…」「人に今更聞くなんてできない…」という方もいるかもしれません。
人事戦略とは、人事業務全般の指針になるような戦略のことです。例えば、研修・育成、評価、給与、採用や労務など、様々な人事業務の指針を立てることを指します。
人事戦略には決まったフォーマットはありませんが、基本的には次の2つの要素に構成されています。
- ゴール:自社の経営戦略・事業戦略が実現できるような人・組織の状態を定義したもの
- 策略:ゴール達成のための方針
ゴールの例は、「こんな人材が欲しい」「こういった登用を目指したい」「ブランディングを確立したい」「エンゲージメントをKGIにして組織文化作りを目指す」等があります。
策略の例は、「人事ポリシーを作る」「評価制度・給与制度を変える」「サーベイ・タレントマネジメントツールを導入する」「学びの機会を増やす」「採用戦略・採用基準を変える」等があります。
要するに、人事戦略とは、企業が目指すゴールとそのための具体的な策略を決めることです。つまり、目標達成に向けて、人材や組織の方向性を明確にするための戦略を立てることが、人事戦略ということになります。
人事戦略を作るプロセス
人事戦略がなにか分かったところで、「では実際に人事戦略を作ってみましょう!」と言われても、なにから始めればいいのかイメージしにくいかもしれません。
そこで「具体的に人事戦略を作るにはどうすればいいの?」という点について解説していきます。
人事戦略を作るための具体的なステップは大きく次の3点があります。
①自社の経営・事業戦略の把握する
②人事戦略のゴールを設定する
③ゴール達成の策略を練る
では、1つずつ詳しく見ていきましょう!
①自社の経営・事業戦略を把握する
ここで一つ問いかけです。
「自社の経営戦略や事業戦略を、自分の言葉で語ることができますか?」
この問いかけをした理由は、自社の経営・事業戦略を理解していないと人事戦略を立てることができないからです。
そもそも会社には企業の存在意義を示す理念というものがあります。この理念を達成するために経営戦略が立てられます。 経営戦略とは、事業・財務状況・資本をどうするのかなどを練ることです。
この経営戦略をもとに事業戦略が立てられます。事業戦略とは、経営戦略の実現に向けて策略や方法を示したものです。ここからさらに人・組織に対して具体的に策略を練ったものが「人事戦略」になります。
このようにして、「人事戦略」は経営戦略・事業戦略をもとに立案していくものになるため、自社の経営・事業戦略を把握することが初めのステップになります。
自社の経営戦略・事業戦略がわからないという方は、ぜひここで一度、自社の経営戦略・事業戦略を振り返ってみてくださいね!
②人事戦略のゴールを設定する
人事戦略のゴール設定には大きく2つのステップがあります。
- 自社の経営・事業戦略を実現できるような人・組織の状態を定義する
- 定義した人・組織の状態を達成するための策略を練る
この2つのステップからも分かるように、経営戦略・事業戦略をそもそも理解していないと、人事戦略におけるゴール設定が出来ません。
③ゴール達成の策略を練る
先ほど設定したゴールをもとに具体的に人事戦略の策略を練っていきます。
まとめ
人事戦略は、経営戦略・事業戦略を理解し、それをもとにゴール設定を行い、策略を立てていくというステップを踏むことが重要です。
ステップ自体はシンプルですが、実際に取り組んでみると非常に難しいものです。人事の抱える多種多様な課題や、学んでおくべき人事の知識を他の記事でも紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
次回は…
「自社の人事戦略はうまく機能しているでしょうか?」 機能していない場合、なぜうまくいってないのでしょうか? 気を付けるべき「6つの落とし穴」をもとに「どうすれば人事戦略がうまく機能するか」見ていきましょう!