社員のエンゲージメント、会社への思い入れを強める施策を講じることは、離職率の低下などさまざまなメリットをもたらします。
とくに新人社員は3年以内の離職率が高く、エンゲージメントを強めることで早期離職を防ぐことは人材戦略の上でも重要なことです。
そこで、入社当初からエンゲージメントを高めるための新人育成戦略について解説します。
新人の早期エンゲージメント向上の意義とアプローチ
まずは、新人社員のエンゲージメントを高めることの意義と、どういったアプローチが必要になるのかについて解説します。
新人の最初の印象とエンゲージメントの重要性
入社したばかりの新人社員にとって、会社や自身の職場環境に対する印象がどのようになるのかは極めて重要なことです。
「こんなはずではなかった」と思われてしまうと、早期離職のリスクを高めることになります。
そのため、新人社員が失望するような環境にせず、早期の段階からエンゲージメントを高めることが、早期離職を防ぐために重要なのです。
エンゲージメントの早期向上のためのアプローチ
新人社員のエンゲージメントを高める施策としては、たとえば「オンボーディング」が挙げられます。
オンボーディングは新人社員が早く職場環境に慣れるためのサポートのことであり、早期離職を防ぐための施策として重要視されているのです。
また、新人社員を対象とした社内イベントの開催も有効な手段となります。
こうした機会を企業側が積極的に提供することにより、新人社員のエンゲージメントやモチベーションを高めることにつながり、早期離職を防ぐなどのメリットをもたらすのです。
新人育成戦略のカスタマイズと成功に導く施策
新人を育成するにあたっては「カスタマイズ」がキーワードになります。
オンボーディングプランの個別化とターゲット設定
新人社員に対してはオンボーディングの十分な実施が必要になりますが、できれば社員それぞれに合わせたオンボーディングを実施することが重要です。
社員それぞれに性格や適性は異なりますので、多くの社員に受け入れられるような施策でも、一部の社員には効果がなかったり逆効果になったりすることもあります。
そのため、オンボーディングを実施するターゲットを設定して、その社員の特性に合わせたオンボーディングを実施することで、効果的なオンボーディングを実施できるのです。
新人のスキルと興味に合わせたトレーニングの提供
オンボーディングを実施することも重要ですが、新人育成については「トレーニング」の実施も欠かせません。
これも、新人社員によって適性や興味のあるスキルが異なりますので、きちんと聞き取りを行い、それぞれの社員に合わせたトレーニングメニューを実施することが重要です。
社員ごとにカスタマイズされたトレーニングメニューは効率よく消化され、効果的なスキルアップとモチベーションの向上を期待できます。
新人の組織への適応をサポートする
トレーニングとコミュニケーション
新人社員が効果的に成長し、離職を抑えるためには組織への適応を企業側でサポートすることも重要です。
スキルトレーニングとチームコラボレーションの強化
新人社員が組織に適応するためには、適切なスキルトレーニングの提供と、チームコラボレーションを強化することが重要です。
社員がスキルアップすることにより業務効率が改善されるだけでなく、社員自身のやる気にもつながるため離職率の低下などの効果も期待できます。
また、プロジェクトチームを構成するなどして新人社員がほかの社員とチームを組むことにより新人社員の能力を最大限に発揮させることにより、成功体験を実感することで社員のモチベーションを高めることになるのです。
フィードバック文化の推進
組織への適応を高めるサポートのためには、企業が組織としてフィードバックを重視する文化を根付かせることが重要です。
新人へのサポートは単一的なものであってはならず、定期的にその成果をデータとして収集して分析、それを可視化することで次回以降のサポートへとフィードバックすることにより効果的なサポートを実現できます。
新人のキャリアパスと成果評価の一体化
新人の組織への適応に関しては、キャリアパスを明確にすることと、社員が出した成果を適切に評価してそれをキャリアパスに反映させる文化を根付かせることも重要です。
社員の出世に関する願望は人それぞれですが、基本的にどの社員も向上心をもって仕事に臨んでくれています。
社員の将来に直結するキャリアパスが明確になっていなければ、社員は将来に対して不安を抱えてしまい、モチベーションが低下してしまうでしょう。
社員が出した成果をきちんと評価してそれをキャリアに反映させることで社員のモチベーションとエンゲージメントを高めることが、組織への適応を高めることにもつながるのです。
まとめ
新人社員のエンゲージメントを高めることはさまざまなメリットがあり、企業側が積極的にアプローチすることが重要です。
施策にはさまざまなアプローチ方法がありますので、自社の現状と課題を明確にしたうえで、効果的な施策を打ち出しましょう。