エンゲージメント

組織開発に対話が重要である理由と今からできる対話を促す制度設計

はじめに

企業の成長には人材の育成も重要ですが、昨今では「組織開発」が重要視されています。
そんな組織開発にもさまざまなアプローチがありますが、「対話」をもとにして組織開発を進めるという手法があるのです。
そこで、対話を重視した組織開発の内容と、対話を促す制度の設計方法について解説します。

対話の重要性と組織へのポジティブな影響

まずは、組織開発において対話がなぜ重要なのか、その立ち位置について解説します。

オープンコミュニケーションと信頼関係の構築

対話をもとにして組織開発を進めることには、オープンなコミュニケーションによる社員同士の信頼関係が構築されるというメリットがあります。
対話型組織開発は、社員同士が対話を通じて自ら組織変革を進めておくという側面があり、これには「やらせる」「やらされる」という関係がありません。
開かれたコミュニケーションを通じて組織変革を進めることにより社員同士の信頼関係が高まり、強固な組織へと変わっていくことができます。

洞察を得るための対話とフィードバックの価値

対話を通じた組織開発は、その対話の中で新しい洞察やイノベーションを生み出し、それをフィードバックすることでレベルの高い組織へと変わっていくことができます。
社員同士の対話は、お互いが持っている知識や経験が対話の中で混ざり合い、新しい洞察を生み出すことがあるのです。
商品やサービスの開発につながるだけでなく、組織開発に関する洞察を得られることで、より高水準な組織変革を進めることができるでしょう。

対話文化を育むための制度設計

対話による組織開発を進めたくても、そのための対話が促されなければ意味がありません。
では、組織内で対話を促すためにはどういったアプローチが必要になるのでしょうか。

対話プラットフォームとコミュニケーションツールの活用

組織内で対話を促進するためには、対話用のプラットフォームやコミュニケーションツールを活用することが重要です。
とくに大企業の場合だと、同じ部署内でも直接の対話がしにくい環境にある場合があります。
パソコンやスマートフォンなどで利用できるコミュニケーションツールを活用することにより、普段はなかなか接点を持つことのできない同僚や上司とも対話ができるようになるでしょう。

リーダーシップのモデリングと対話の促進

組織内での対話には、リーダーシップが活かされる場面も少なくありません。
部署やプロジェクトのリーダー格の社員が率先して社員同士の対話を促すことにより、そのチーム内のメンバーでの対話が促進されます。
もちろん、強制的な対話はイノベーションを生み出す環境にはなりにくいため、社員がストレスを感じないような雰囲気で対話をそれとなく促すリーダーシップが重要です。

組織全体への対話の波及効果と改善

最後に、組織全体への対話の波及効果と、改善の方法について解説します。

対話文化の浸透と組織価値観の反映

組織内で社員同士が対話をするのが当たり前の社風に変わってきたら、それを維持して組織の価値観もそれに合わせたものにフィードバックすることが重要です。
対話を促進するアプローチが一時のものだと、組織開発に十分な効果を発揮しないでしょう。
それでは、対話型組織開発は失敗に終わったといえます。

組織内で社員同士が対話を通じて自ら組織変革を進めるという文化が生まれたら、それを組織全体に浸透させて継続していくことが重要です。
そして、組織の価値観自体も、組織内の対話文化による組織変革に対応できるように、その価値観を変えていくことも必要になるでしょう。
組織の価値観が固着されていると対話による組織変革がなかなか進まなくなりますので、どれだけ柔軟に対応できるようになり、対話による組織変革に適応できるかが重要です。

対話型組織開発と成果の可視化

対話型組織開発を効果的に進めるにあたっては、定期的にその成果をデータ収集し、対話による成果を可視化することが重要です。
組織内で社員同士の対話を促進することができたら、それが組織内においてどのような成果として現れたのかを分析しましょう。

そして、得られたデータをもとにして組織開発を進めるためのヒントを得たら、それを実行するとともに対話の状況を観察してより効果的な対話型組織開発を進めるためには何が必要なのかを分析します。
それを組織内でフィードバックすることにより、より効果的な組織内での対話が実施されるようになり、社員同士のコミュニケーションが活性化して対話型組織開発の効果もより高まるでしょう。

まとめ

従来の組織変革は上からの指示で実行されることが多かったのですが、対話による組織開発は組織を構成するメンバー自身が対話を通じて組織変革を進めるという特徴があります。

成功すれば社員同士の信頼関係の構築につながるなどのメリットもありますので、適切なコミュニケーションツールの導入などを通じて組織内に対話をするという文化を根付かせましょう。

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