組織開発

組織開発ってなに?基本の3ステップと実践のポイントを押さえよう

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今回の記事から3回に分けて、「組織開発の基礎」が主なテーマになっています。

まずは「組織開発とは何か」という全体像から始めて、皆さんが実際の職場で活用できるようにします。

そして次回の記事で「診断型組織開発」と「対話型組織開発」を詳しく見ていき、最後には、皆さんが実際の職場で組織開発を実践できるようなポイントをまとめました。

組織開発って難しそうに聞こえますが、実はそんなに堅苦しいものじゃないんです。

そもそも組織開発ってなに?

人や組織の課題を解決する時のアプローチ方法には、個人に焦点を当てる「人材開発」チームや組織全体に焦点を当てる「組織開発」があります。今回は後者の「組織開発」に焦点を当てて解説していきます。

組織開発は、主にチーム全体や組織全体の関係性、目標、雰囲気に焦点を当て、「関係性」に働きかけます。
アプローチ方法の例は、個人的な関係についてアプローチする時もあれば、グループ全体の目標や雰囲気、あるいはグループ同士の関係性、組織全体のあり方などがあります。

このように、組織開発にはいろいろな切り口があります。では、実際にどんなアプローチをすればいいか見ていきましょう!

組織開発の3ステップ

組織開発は、個人ではなくチームや組織全体の改善を目指すアプローチです。上の図のような基本の3ステップ「見える化、対話、未来づくり」を通じて、組織全体の課題を解決し、より良い未来を築いていきます。

では、1つずつ詳しく見てみましょう。

①見える化: 普段は見えにくい問題を明らかにする
潜在している問題を提起し、なにが問題であるのか、社員がちゃんと認識できるようにまずは問題を明確にする必要があります。

②対話: 関係者一同が集まって問題を見つめ、話し合う
問題を共有したら、関係者全員で話し合います。関係者みんなで問題を見つめ直し、これからどう解決するかを考えます。

③未来づくり: 今後どうするかを話し合い、自分たちで決める
問題の原因を分析し、今後のアクションプランや将来どう改善するかを話し合います。これは問題を作っていた当時者が主体的に取り組むことが大事です。

以上の3つのプロセスをファシリテーションしていくことや、現場の人もこのプロセスを行えるように支援していくことが、組織開発担当者の主な仕事になります。

診断型組織開発と対話型組織開発

次に、上で紹介した3ステップを実行するにあたって、2種類のやり方があるのご紹介します。

組織開発には、「診断型」と「対話型」の2つの方法があります。

診断型はアンケートなどで問題を見える化し、その後対話を通じて解決していきます
対話型は、対話を中心に問題を見える化し、そのまま対話を続けて解決策を探っていきます。

どちらが良いかはケースバイケースですが、見える化だけで終わらず、対話と未来づくりを続けることが重要です。

組織開発の実践ポイント

では、組織開発の実践についてみていきましょう!組織開発を実践する上でいくつか押さえておくべきポイントがあります。具体的な事例を交えて、分かりやすく説明しますので、リラックスして読んでみてください。

実際の職場の例から考えてみよう

例えば、あなたの会社で退職者が多くて、売上も伸び悩んでいる部署があったとします。人事担当としてその課長に話を聞きに行くと、成績が悪いメンバーを厳しく叱っている様子が見られました。他のメンバーもその様子に嫌気が差しているみたいです。こんなとき、あなたはどうしますか?

ただアンケートを取ったり、対話をしたりしても、簡単には解決できないですよね。じゃあ、どうすればこの状況を打破できるのか?

ここで押さえておきたい2つのポイントを紹介します。

ポイント1: 真の課題を明らかにする

まずは、問題の本質をしっかりと見極めること。単に「業績が悪い」とか「退職率が高い」という表面的な問題だけを見ていても、根本的な解決にはつながりません。背景にあるもの、例えばコミュニケーションの仕方や意思決定のプロセス、目標設定の方法、職場の雰囲気など、見えにくい部分に目を向けることが大切です。

ポイント2: 関係者のコミットメントを上げる

次に重要なポイントは、関係者全員のコミットメント(関わりと意欲)を高めることです。問題を解決するには、現場の人たちが主体的に取り組む必要があります。全員が少しずつでも変わっていかないと、根本的な解決にはなりません。

意思決定のプロセスにおいて、外部からの指示ではなく、関係者自身が自らの意思で決めるように促すことが大切です。これにより、関係者全員が問題に対して主体的に関わるようになります。

組織開発はなぜ必要なの?

組織開発が現代で求められる理由が大きく2つあります。1つ目は「多様性の時代」、2つ目は「人事の組織理解」です。

昔は「優秀なビジネスマン」としてエリートを目指すのが一般的でしたよね。でも、今は多様性の時代。個性を尊重して、それをどう活かすかが求められています。

多様な人々が集まることで、関係性も複雑になってきました。昔はみんな同じような考え方や価値観を持っていたのでシンプルでしたが、今はそれぞれが違うので、コミュニケーションやチームワークの形も変わってきています。

例えば、何か問題が起きた時。昔なら「この人のここが悪い」と簡単に言えたかもしれませんが、今は「この人たちの関係性はどうすればいいのだろう?」と考える必要があります。個人の問題だけでなく、関係性の問題も重要視されるようになりました。

だからこそ、チームの関係性を良くすることがすごく大切です。うまくいけば、1人1人の力が合わさって大きな成果を生むことができますが、逆にバラバラだと期待した成果が出ないこともあります。このように、多様性の時代では、関係性が勝負の鍵となるんです。

また、組織開発を取り組む過程で、自社の人や組織を深く理解することができます。「見える化」や「対話」を通じて、誰がどんな考えを持っていて、どんな問題があるのかが見えてきます。このプロセスは他の人事施策にも非常に有益で、人事の仕事としても重要な役割を果たします。

まとめ

組織開発は、単に問題を見える化するだけでなく、その背景にある真の課題を明らかにし、関係者全員のコミットメントを高めることが重要です。これにより、組織全体の改善を目指し、より良い未来を築くことができます。

次回は、具体的な事例を通じて、診断型組織開発と対話型組織開発の違いを詳しく見ていきます。お楽しみに!

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